帰りの車内

帰りは酔っぱらい一平に変わり、途中まで私が運転した。

 

自宅まではひたすら

川沿いの土手道一本。

20分程だった。

 

 

仮免中だった私は出発時からとっても慎重に

点検作業、交差点も慎重に慎重に

こちなく走行する。

 

 

っとその時パトロールとすれ違い

焦った私は交差点の真ん中でブレーキを踏んだ

 

 

「ブレーキ踏むな!怪しまれるぞ!行け!行け」

って隣の助手席から一平が冷静に穏やかに声をかけて来る。

 

全身ぶるぶる震えながら

「運転変わってー」って一平とバトンタッチ。

 

そんな共同作業があったからかなのか

 

初めて会話は弾んだ

 

仕事何してるの?

大工

彼女いるの?

もう大分いないね

年は?

21。

 

何気ない会話

 

顔は少年感が残るはっきりした顔立ち。

 

笑った時に目尻にシワをよせ

えくぼが出て来る。

 

中身は男らしくて

リードしてくれる

頼りがいのある素敵な年上男性に見えた。

 

そのまま番号を交換して

別れた。