初めての夜

再開の夜から連絡も頻繁に取るようになり

 

夏休みも終わり

学校も始まった頃

 

バイト中に

今日遊びにくる?

 

って連絡が来た

 

 

もちろん朝まで帰れないので

外泊っていうのが前提って言うのも一平君は分かっていた。

 

 

私は興奮気味に、「どうしよう。行って大丈夫だよね?」ってバイト仲間に

尋ねた

 

「えーーー!会うの何回目??襲われないようにね!ゴム持っとかなきゃ!!!」

 

ってあちら側も興奮気味に返してきた。

 

女子校っていうこともあり

18歳で処女はすごく遅い方だった。

 

(15~18歳、初体験を持つ事が一種の競技のようで

一般的に初が遅いと、恥ずかしいっていう感覚までありました。)

 

 

そもそも彼は無理矢理襲うタイプではないし

心がすごく優しいって言う事を知ってました。

 

 

私は恐怖よりも彼に会いたいっていうのがワクワクが優先し

バイト後に彼の元に向かった。

 

 

この日も夜中まで飲み夜中の3時にはベットに入りました。

2人きりの部屋

彼はフローリングで寝ようとしてました。

 

 

「寂しいからこっちきてよ」

 

「襲いたくなるから駄目」

 

「目つむってれば大丈夫だよ」

 

まさかの、自分からのアプローチ!笑

 

 

寂しいっていうのを全面に押し出しお願いすると

彼はベットに入ってきてくれました

 

 

やっぱり襲っちゃいそうだからと

私に背を向け眠る彼。

 

そんな姿勢にまたも胸がキュンっとなり

人差し指で彼の背中を

ツンツンつついた。

 

「ねーねー。こっち向いて寝てよ」

 

次は甘えん坊を全面に押し出してみる。

 

何度かやってると

 

「あーーーーーもうーーーー我慢できない」って寝返り

手を伸ばしそうになる一平に

 

「私処女だから駄目だよ!」

 

釘をさした。

 

「嘘でしょ?ホントに?ホントに?それは駄目でしょ」

 

って次は背を向けずに腕枕してくれていた。

 

 

ここまでも終始ドキドキだったけど

こんな誠実な一面もみれたので、

 

「一平君だったらいいかも」って言葉に出しちゃってました。

 

 

ゆっくり時間をかけ

1つになろうとしました。

 

痛みが伴う中

 

頭の中では

いやいや待って私、そもそも一平君は彼氏でもないのに。

1番は避妊具をつけてなかった事がわたしを後押しし、

 

「ごめん。やっぱり痛いから無理」

って痛さを理由に

 

最大の中途半端さで中断

 

最中も気遣ってくれていた一平は

 

「痛かった?ごめんね。」

っとすぐに行為をやめ、

ぎゅ〜っと私を抱きしめたまま、眠りに就きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夏休み

あれから気にはなっていたが

一平君からの連絡もなく

忘れかけていた

 

高校最後の夏休み。

 

免許も車もGETして、友達と夜な夜な

ドライブ行ったり

 

いつものように

合コン三昧だったり

 

毎日思いっっっきり最後の高校生lifeを楽しんだ。

 

 

夏休みも後半に入った頃

突然一平君から連絡が来た

 

 

「今なにしてる?

みんなで遊ぼうよ」

 

早速友達のサラを連れ向かう

私はいつもサラと一緒だった。

 

タバコの煙が充満する車内

アシャンティーやブリトニーを爆音で流す

これが私達のお決まりの終末の過ごし方

 

「久々だねー、一平君達に会うの〜!」

 

って今夜の当てができウキウキも増した。

 

 

 

久々の彼は少し落ち込んでいた。

 

愛車のセルシオで自損事故を起こし

車体後方が大きく凹んでいた。

 

 

そんな哀愁ただよう姿が愛おしく、なんだか優しく見守ってあげたいと

母性をくすぐられる感覚が私を襲った。

 

 この夜はみんなで一平君の社宅で

雑魚寝。

 

二段ベットの上にサラ、私は下に

 

男の子達は床にゴロゴロ

結局眠らず朝まで会話していた気がする。

 

 

朝日が昇り始めた頃

ようやく我が家に帰る事ができる。

 

サラにも私にも門限があるので

お互いが、お互いの家に泊まりに行くと嘘をついて

夜の外出をしていました。

 

 

嘘を付く事に罪悪感を感じてた。

 

しかし、それ以上にたくさんの出会いがあったり

刺激的な体験があったり

満足すぎる日々だった。

 

会ったのは2回目だけど

やっぱりもうすでに視線で一平君を追いかけていた。

 

みんなから尊敬されてるとこ

好かれてるところ

シャイなのに男らしくてワイルド

哀愁ただよわせる情けない姿まで

 

もう私の気持ちは止めようがなかった

 

 

 

 

帰りの車内

帰りは酔っぱらい一平に変わり、途中まで私が運転した。

 

自宅まではひたすら

川沿いの土手道一本。

20分程だった。

 

 

仮免中だった私は出発時からとっても慎重に

点検作業、交差点も慎重に慎重に

こちなく走行する。

 

 

っとその時パトロールとすれ違い

焦った私は交差点の真ん中でブレーキを踏んだ

 

 

「ブレーキ踏むな!怪しまれるぞ!行け!行け」

って隣の助手席から一平が冷静に穏やかに声をかけて来る。

 

全身ぶるぶる震えながら

「運転変わってー」って一平とバトンタッチ。

 

そんな共同作業があったからかなのか

 

初めて会話は弾んだ

 

仕事何してるの?

大工

彼女いるの?

もう大分いないね

年は?

21。

 

何気ない会話

 

顔は少年感が残るはっきりした顔立ち。

 

笑った時に目尻にシワをよせ

えくぼが出て来る。

 

中身は男らしくて

リードしてくれる

頼りがいのある素敵な年上男性に見えた。

 

そのまま番号を交換して

別れた。

王様ゲーム

夕日も落ちて来た頃

楽しくバーベキューしている所に

ごっついバイクにまたがった、革ジャンを着た

おじさん達(っていっても20代半ばくらいの人達)が挑発するように

爆音を立て私達の近くを往復する。

 

 

一斉に男の子達が立ち上がり

睨みを利かせ向かおうとするところ

例の一平君が

「おい、やめとけ」

ってこの一言で男の子達を止めた。

 

(この人喋れるじゃーん。男らしいって言われてた意味はこれかー)

ってそんな意外な姿に関心しつつ、ギャップのお陰で少し彼に興味が沸いた。

 

完全に暗くなった頃

ジャラジャラっと、割り箸のこする音。

私達が大好きな王様ゲームが始まった。

 

 

ドキドキしながら当たらないように願う。

 

王様のにんまり顔。

 

見事に当てられた。

 

相手は一平。

 

命令は「ソーセージを食べさせる。」だった。笑

 

一平から私の口に割り箸でソーセージが運ばれ

美味しく頂きました。

 

その間も終始シャイな彼

なんか奥手そうな雰囲気が伝わってくる。

 

その後もゲームは続き

 

○○毛ファイヤーとか

膝枕

ハグ等、

 

結構盛り上がってました。

 

 

そして

王様からの最後の命令は

「キスーーーー」

 

 勢い良く一平の番号がよばれて

「俺ーーー?」

 

 っとかウダウダ言ってる時

 

私の番号も指定された。

 

げーーーーーーーーーー。

 

でもそんな嫌じゃない。

 っと思いつつ

 

みんなに後押しされ

 

私達は隣同士に座った。

 

 

一平は

「いい?」って聞きながら

軽く唇にキスしてきた

そのまま

やさしく少し強引に押し倒してきた。

 

 

え??????

 

私はキスされたまま

空を見上げてました。

 

波の音が広がるビーチで

真っ暗な空に広がる星はすごく奇麗で

 

なによりも

これが私の人生最大の恋に落ちた瞬間でした。

 

 

 

 

 

 

 

初めての出会い

彼と私の初めての出会いは

友達に誘われた海でのバーベキュー

 

 

高校3年の頃でした。

 

学校帰りに友達と遭遇。

「家に泊まるって事にして、行こうよ〜」

 

(ふ〜ん。突然だしなぁ。めんどいな〜。まっ、行ったら行ったでいつものように楽しいよね)

 

って思いつつ、お迎えの車に乗り込む。

 

今から海でバーベキューしながらお酒飲むなんて

高校生の私達には非日常的

スーパーで買い出し中、私達はすでにテンションが上がっていた。

 

海に到着するとさわやかワイルド系のお兄さん5名

年上のお姉さんも2名

 

みんな和気あいあい

 

女子トークでは,お決まりの

誰が良い?って尋ねられ、名前と顔もまだ一致してないもんなー

って思いながら話を聞いてると

 

「一平君いいんじゃない?」

 

って、車で迎えに来た人の事を言ってた。

 

「とっても優しくて男らしいんだよ。」

 

って、割にはすんごい無口で雰囲気恐かったけど。

って正直感じてた。